透析施設の排水による下水道管損傷事例発生とその対策について

平成31年1月25日

透析施設の排水による下水道管損傷事例発生とその対策について

一般社団法人日本透析医学会
理事長 中元 秀友
公益社団法人日本透析医会
会長 秋澤 忠男
公益社団法人日本臨床工学技士会
理事長 本間 崇

 昨年、東京都下水道局より、都内透析施設において下水道法の基準を著しく逸脱した排水によって、下水道の運用に支障を来した事例(下水道管損傷)についてご指摘をいただきました。その後、東京都下水道局長から、日本透析医学会理事長、日本透析医会会長及び日本臨床工学技士会理事長あてに「透析装置の洗浄排水に関する調査の実施について」(平成30年9月25日 30下施排設第116号の2)の依頼があり、都内透析施設を対象に調査を実施したところ、十分な排水処理がされていない施設が多数存在することが判明致しました。
 透析施設から下水道へ排除される排水に関しては、下水道法ならびに各自治体条例により基準が規定されております。特に水素イオン濃度で規定される酸性の排水が下水道に流されると、コンクリート製の下水道管が損傷し、道路陥没を引き起こす恐れがあります。(東京都23区の規制(pH:5を超え9未満))。また、これらの規制項目以外にも、透析施設から排除される排水については、各自治体の規定した基準を遵守する必要があります。
 これを充足していない透析施設におかれては、速やかに中和処理等の対策を講じていただきたいと存じます。なお当3団体では、具体的な対策方法を含めた啓発活動を今後積極的に展開して参ります。何卒、ご理解・ご協力のほどお願いします。