2016年版透析液水質基準達成のための手順書DRAFTパブリックコメント

はじめに

 透析医療において安全かつ清浄な透析液を提供することの必要性は周知の事実であり、我国で透析療法を行う上で必須の条件となっています。このいわゆる透析液清浄化に関して、公益社団法人 日本臨床工学技士会(日臨工)はISO/CD 23500の提案(2005年)以降、透析液清浄化ガイドラインVer1.05(2006年8月)を発行し、これに乗っ取った透析液安全管理責任者セミナー、基礎セミナー等を開催することで対応してきました。その後、オンラインHDF/HF治療の認可や透析液水質確保加算の新設などが行われ、透析液清浄化ガイドラインはVer2.01(2014年3月)となり現在に至っていました。しかし問題点として透析液水質基準が日臨工、日本透析医学会(医学会)およびISOと3つの団体が示しており、少なからず臨床現場での目標統一が成されておりませんでした。その理由の一つに、我々が当初より主張してきた「清浄とは、透析療法に用いる透析用水・透析液に関し、化学物質の汚染、生物学的汚染がなく、且つ安全に治療を行うことのできるものとし、それらを作り出す装置の設計、管理方法を含め清浄化と定義する。」という文言にある化学物質の汚染に関し、医学会の水質基準はあまりにも不十分でした。この事案につき第60回(2015年)日本透析医学会総会コンセンサスカンファレンスにおいて、我々の主張が取り入れられ不足していた化学物質基準が新設され「2016年版 透析液水質基準」が提示されました。これらの情勢を勘案し、透析液水質基準を医学会の示すものに統一し、その基準を達成するため臨床現場で分かりやすい手順を示すものへガイドラインを改訂しました。よって「透析液清浄化ガイドライン」改め「2016年版 透析液水質基準達成のための手順書」とし、そのドラフトを会員諸兄に提示致します。自らの業務の重要な指針になるものと思われます。内容を十分に確認し、ご意見を戴きたいと考えます。尚、本ドラフトは第27回日本臨床工学会(青森)においてワークショップ11「2016年版 透析液水質基準達成のための手順書の公開と検証」において最終のコンセンサスを得た後に、正式発効する予定でおります。                     以上

 

公益社団法人 日本臨床工学技士会

透析液等安全委員会

みはま病院 ME部 内野順司

 

*ご意見メール宛先:KYK00105@nifty.ne.jp

2016年版透析液水質基準達成のための手順書DRAFT